最近日本人海外留学生の数が減ってきている話を、ニュースで目にします。
少子化の影響などもあるでしょうが、文部省の調査でも日本人留学生の減少がみられるようです。
ラビが昔勉強していた大学のコースには、毎年3~5名ほどの日本人がいました。ところが近年はゼロという年もあるそうです。別の友人に聞いても日本人は減ったが、逆に中国からの留学生は増えたという話も聞きます。
このように現地で見聞きする状況でも、昔に比べて日本人留学生は減っているような気がします。
日本人海外留学生が減っている理由は?
理由としては、内向き志向やリスク回避傾向などが言われています。
学生を取り巻く現状は日々変わってきていますし、留学というものもタダではできません。一年学校を休学することによって、卒業や、就職活動に影響がでますし、友達とも離れてしまいます。
経済産業省などの調査で、海外留学を敬遠する理由の一例として以下が挙げられています。
・卒業の時期が遅れる
・海外で履修した単位が、日本の大学で認められない
・就職活動が遅れる
これらについては、各大学の規定やシステムによるところが大きいので、学生課に相談したり、留学生向けの就活についてしっかりと調べることが大事です。
ここではその他の理由について、一緒に見ていくよ。
語学力が足りていないのが心配
一般的に見て、語学力に不安がない日本人の方が少ないでしょう。
最近は小学校から英語の授業がありますし、昔に比べて指導方針も変わってきていますが、まだまだ日本人の英語能力は低いと謂わざるをえません。
何故なら日本の英語教育は大学受験やTOEICなど試験に重きを置いているからです。
つまり文法や英単語などを暗記するインプットをメインにしています。
逆に海外の大学で勉強したり、現地で生活したりする時に最も必要となるリスニングとスピーキングについては絶対的に練習量が足りていないのです。
人間やってもいないことを急にやれと言われても、無理な話です。
正しい文法や、コツコツと単語やイディオムを暗記してきている日本人の英語力は、それほど低いわけではありません。実際、語学学校のレベル分けの筆記試験はできるので、上のクラスに入れられたりもします。
ただ実際に授業に出てみれば、教授の話していることが聞き取れない、自分の意見を英語で伝えられない。
他の国から来ている留学生たちは、ペラペラ話せて、どんどん発言しているのに。
この現状に、多くの日本人が自信を失って、自分の英語力は低いと思い込んでしまうのです。
上記で述べたように、私たちは英語の基礎となる文法や英単語はしっかりと勉強してきています。これは英語を聞いたり話したりする上でも、大切な土台になります。
ただせっかく覚えた内容をアウトプット、つまり英語でコミュニケーションをとる機会が非常に少ないのです。自分で積極的にそういう場所に出かけていかなければ、日本の日常生活で英語を使う機会はありません。
逆に考えれば、留学生活はアウトプットの練習に最適の環境です。
今までは練習の機会がなかっただけだよ。
学校でも街に出ても、いつでもどこでも練習できるのですから、これを有意義に活用すればいいのです。
聞くのも話すのも場数と慣れです。繰り返し体験すれば、脳は嫌でも覚えていきます。
私たちは英語が出来ないのではなく、留学生活は今まで機会がなかったアウトプットの練習の場だと考えてはどうでしょうか。
留学先の大学の授業についていけるか不安
大学では高度で専門的な勉強をします。それをいきなりすべて英語でなんて・・・。
とってもハードルが高く感じられるよね。
ラビが現地の大学で勉強をし始めた時、まったく付いていけませんでした。
一番の理由は語学力です。
こればかりは、努力するしかありません。
語学力が理由なら予習をしっかりして授業に臨む、終わった後分からなかった内容を見直す。
まずは日本語で内容を調べてから授業を聞くと、多少知らない単語があっても、大体言っていることは分かります。
最初は大変でも、3か月もすれば授業についていくのが楽になるはずです。
語学力の他に、日本人が授業で苦労するのが討論など意見を伝えることです。
海外の授業では教授の説明を聞くだけでなく、ディスカッションや自分で発言する場面が多くあります。
私たち日本人は、この「自分の意見を述べる」ということが非常に苦手です。
集団行動や和を大切にしている社会で生きてきた私たちが、いきなり個人主義の文化に放り込まれてしまうのです。パニックです。
例えば北欧では小学校から自分の意見をまとめて、皆に伝えるというスタイルで学習をしてきています。そのため暗記ではなく、エッセイ形式での試験がほとんどです。
つまり子供の時からそれが当たり前で、彼らはディスカッション慣れしているのです。
これも私たち日本人が出来ないのではなくて、練習する場がなかっただけなのです。
その証拠にラビも、周りの日本人たちも初めは戸惑ったり、恥ずかしがったり発言するのに勇気がいりましたが、時間がたてば臆することなくバンバン自分の意見が言えるようになっています。
これも授業や、友達と積極的に討論して場慣れしていけばいいだけの話です。
海外で人とうまくやっていけるか心配
留学生活で友達が欲しいと思ったら、積極性が大切です。
自分の意見を伝えることが人間関係の第一歩です。
多くの国では、日本のように空気を読む、察するという文化ではありません。
あなたが何を考えて、どう感じて、どんな人間なのか言葉や見える形で伝えることから始まります。
英語が上手く話せる、話せないは大きな問題じゃないよ。
それよりもあなたと一緒にいて楽しいか、あなたはどんな人間なのかの方が重要です。
一緒にお酒を飲んで一緒に笑う、パーティで日本の料理を作ってみる、他の国の文化に興味を持って質問してみる。
何が楽しくて、どんな経験をしたことがあり、何に興味があるのかを拙い英語でもいいのでどんどん伝えていきましょう。
ラビは語学力が足りていなくても、すぐに現地の人と仲良くなってしまう日本人を知っています。
その人はいつも笑っていて、相手に興味を持って、感情を豊かに表現しています。
言葉が流暢かどうよりも、その人と一緒にて楽しいかどうかの方が大切なのです。
海外では文化も考え方も違います。語学の壁というハードルもあります。
だからこそ、いつもよりも積極的にあなたがどんな人間なのか周りに伝える努力が必要なのです。
まとめ
学生時代の留学生活というものは、とても有意義な時間です。
ラビ自身は社会人留学でしたが、周りの日本人は大学からの交換留学生がほとんどでした。
そして皆さんとても留学生活を楽しんでいました。
自分の国から離れて大変なこともありますが、それは他の国から来ている留学生もみんな感じていることです。
同じ苦労を共有するので、短い間でも深く知り合うことができ、その友情は留学後も続いていきます。
社会に出る前に、色々な文化や考え方に触れるのは、必ずあなたの将来に役立つはずです。
海外留学に少しでも興味があるのではあれば、是非挑戦してください。